若杉 聖子 WAKASUGI SEIKO

兵庫県三田市にて制作活動を続ける若杉聖子さん。まるで果実や花を連想させるシンプルで繊細な造形に、枯れたマッドな質感を見せる白磁焼締めの器肌が印象的な佇まい。彼女の拘る鋳型での成型は、まず原型を造って型取りし、白磁の泥漿を流し込んで、ある程度乾燥させます。その後、泥漿を流しだして、卵の殻のような状態となった器を取り出します。器肌を時間を掛けて研磨し、口造りは全て手作業で成形しようやく作品として完成します。敢えて手間のかかる鋳型を用いるのは、轆轤では表現できない優美で緊張感あるフォルムを目指してのこと。女性らしい、繊細で美しくピュアな雰囲気が魅力です。

若杉聖子 白磁 兵庫 鋳込み

< 経歴 >

1977 富山県富山市生まれ
2000 近畿大学文芸学部芸術学科卒業
2002 国際陶磁器展美濃(’05 審査員特別賞)
2003 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2007 工芸都市高岡クラフトコンペティション奨励賞
京畿道世界陶磁ビエンナー(韓国)
2010 ぎゃらりい栗本にて個展(2012,2015,2019,2021)
2011 “Japan Contemporary Crafts 8 Materials, 11 Artisans”, Bottega Veneta(イタリア)
2013 “Ceramique 14 Paris” (フランス)
2014 第9回パラミタ陶芸大賞展:パラミタミュージアム
現代・陶芸現象:茨城県陶芸美術館
2015 文化庁新進芸術家の海外研修制度により渡仏
2016 焼締―土の変容:シアトルセンター(アメリカ)
2017 現代の茶陶:茨城県陶芸美術館
国際北陸工芸サミット ワールド工芸100選展:富山県美術館
2018 マグカップシンポジウム2017 Dubi(チェコ共和国)

現在 兵庫県三田市にて制作、京都市立芸術大学准教授
全国各地にて個展・グループ展を中心に作品発表を続ける