会期 : 平成16年1月15日(木)〜25日(日)
作家来店は1/16(金),17(土),18(日)の予定。



<野澤寛氏 略歴>

大正11年 新潟市に生まれる
昭和12年 父秀吉に師事し、髪漆を学ぶ
昭和44年 独立
平成元年 新潟市技能功労者賞
平成7年 卓越技能者県知事表彰
市政功労者新潟市長表彰
平成11年 ぎゃらりい栗本にて個展
平成12年 日本漆工技術者表彰
平成14年 漆の美展にて会長賞


漆塗一級技能士 日本漆工協会会員
日本漆文化財協会会員
その他入選受賞多数、全国各地にて個展開催

 「 漆と共に  野澤寛 」

 私が漆の道に入りましたのは、日本と中国の風雲急を告げる頃の昭和12年、小学校高等科を卒業した春の事でした。漆器製造販売を営む父の許へ、佐渡から来た弟子と二人で、うるし刷毛を友として苦しみも楽しみも分かち合いながら修行生活に入るとともに、長い漆人生への道程を一歩一歩、歩み始める事になりました。偶、私の誕生日が11月13日の漆の日であり、父の勤めに従って刷毛の道に進みましたのも自然の成り行きであったのかもしれません。
想いますに、父は、その仕事への心構えを明治のひとらしく黙々とした制作態度で教えてくれたものですが、その教訓を今でも大事にしております。当時の新潟漆器業界は、花塗りをはじめとして、竹塗、虫喰塗、磯草塗、石目塗などの多様な変わり塗が盛んで、膳、盆、菓子器などが大量に製作され、県内は勿論のこと、県外にも移出されて市の伝統産業としての名声を高めておりました。又、当時の新潟市の人口は13万人程度の地方都市でありましたが、その街並みは大河信濃川の流れを市街の水路に引き入れて、八千八水の水の都、そして緑豊かな柳の町として情緒も充分でした。家の前を流れる堀の端には、柳や桜が植えられて、鮮やかな緑が川面に映え、指揮折々の風情をそろえてくれたものです。毎日、同じ仕事の繰り返しで飽き飽きした時や天秤棒を担いで製品納入をした時の肩に食い込む痛さに涙した時などにも、水の流れや柳の緑が私達弟子の心に慰めや潤いを与えてくれるとともに、貴重なる心の糧ともなってくれたものです。
戦時中は、舞鶴海軍工場に勤務して機雷、魚雷の火薬室の漆塗にも従事いたしました。其の時の他産地職人との交流が、現在の制作活動に役立っておりますのも私にとっては幸いでした。大正・昭和の時代、全盛を誇った新潟漆器も市が大都市として発展するにつれて、必然的に後継者難となり、昔日の繁栄を失ってしまいましたが、全国の産地でも、代用漆の登場や、工程を省いた安価な商品の開発競争など漆器業界も大きく様変わりして只々驚くばかりです。
然し乍らやはり日本の古来文化であり、伝統工芸の基本である技法は大切に守りながらの優品をお客様に提供する事を心掛けて、多くの先人達が脈々と築き上げた新潟塗りの名声を永遠に伝えつづける事が私達の責務ではないかと想うこの頃です。

座右の銘 「一歩一歩に明日がある」


新潟塗 野澤寛 漆芸展

OPEN am10:30 〜 pm19:00   毎週水曜日定休
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